教養

劇団四季 創立者浅利慶太さんを偲んで…演劇への想いと熱い情熱!!

『劇団四季』という名前を知っている人はどれくらいいるでしょうか?逆に知らない人を聞いたほうが早いかもしれないですね。それほどの知名度を誇り、日本を代表する劇団、それが劇団四季です。

先日劇団四季の創設者であり、代表を務められていた浅利慶太さんが天国へと旅立って行かれました。彼がどんな人だったのかは、お友達じゃないので私には分かりませんが、彼の演劇への想いや情熱を今回劇団四季の大ファンである私が、僭越ながらお伝えしてみようと思います。

浅利慶太先生の日常とか知らんよ!昨日見た夢の話しとかは書かないよ!なんて冗談はこれくらいにして。浅利さんが残してくださった偉大な劇団、四季の世界にお連れしますね!

『劇団四季』役者は舞台に専念しろ!

劇団四季1

劇団と聞いてまず思い出すのは「夢物語」「お金が無い」「将来性が無い」などデメリットな言葉が多いんじゃないでしょうか?私も個人で舞台の経験がありますが、はっきり言って食べてなんかいけません。それが趣味だろうが、セミプロレベルだろうが変わりません。私が立った舞台の先輩方、後輩と皆さんセミプロレベルの方でしたが誰一人それで生計を立てていません。

てかそれが普通です

それくらい舞台ってお金になりません。芸人さんとかもそうですが、ブレイクしたりしないとお給料もらえなかったり、もらえても少なかったり。。。で、バイトしますよね?生活できないと困るから。では劇団四季はどうでしょう?まさしく演劇、バイトに稽古に明け暮れてるイメージではありませんか?

劇団四季はバイト禁止です

えー!じゃあ役者さんたちはどうやって生計立てているの!?仕送り!?そんな声が聞こえてきそうですが、劇団四季は月給制です。なので、役者さんは舞台の稽古に集中できるのです。この月給制は、数ある劇団では劇団四季が最初に取り組んだといわれています。

勿論、配役によっては御給料は上がったりするそうですよ。でもアンサンブルと呼ばれるバックで踊ったり、役の名前が無いような方たちはどうなの?ちゃんともらえるの?と思われるかも知れませんが、お給料は大学卒業の初任給以上もらえるようです。すごいなー劇団四季!
[box class=”box32″ title=”浅利先生の名言その1”]■「演劇では食べられない」と絶望する前に、まず創り手が「独りよがり」を脱し、お客様を感動させるための努力をしなければ
■八百屋は「野菜」を売って生計を立てるのです。芝居者は「芝居」で食べていかなくてはなりません[/box]

見る天国、演る地獄それが演劇、総合芸術

劇団四季2

ミュージカルなどの舞台を数多く公演している劇団は他にもありますね。東宝ミュージカルや、宝塚歌劇団などは有名ですね。その中でも『劇団四季』は全国で公演を随時行っています。自前の劇場も全国に展開しており、今は4つありますがこれからも増えていくと思われます。

そんな『劇団四季』が公演するミュージカルは、最高のクオリティをお客さんにお届けするため、昼夜舞台稽古を行っています。公演が決まり、オーディションをする際にも役者は下準備をしてオーディションに臨みます。その下準備のあるなしでも配役は決まりかねませんし、言われてから準備するんじゃ遅すぎる世界。

本番を前に稽古場では怒号が飛びますし、勿論本番直前の舞台稽古というか場当たり的なものの時ですら、配役に選ばれていても降板されることもあります。そのため、劇団四季では一つの役に複数のキャストを準備しているのです。

舞台を観る側の人間からしたら、華やかな衣装を纏い、眩しい照明を身体に受け、歌って踊って演じる、華やかな世界そして憧れの世界。しかし役者からすると、舞台裏を走りまわり、配置を覚え、台詞を叩き込み、一糸乱れぬダンスや歌に、感情を乗せ舞台の上で生きる、それでも役が取れるのは一握り。

[box class=”box32″ title=”浅利先生の名言その2”]■僕たちの世界には「観る天国、演る地獄」という言葉がある。まさに演劇の仕事の真髄を言い抜いています。
■才能のある人間はいない。如何に努力できるかが、才能です。
■1000回やると飽きるんだったら役者なんかやめろ

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『劇団四季』鉄の掟!

劇団四季3

さて、そんな厳しい劇団四季には鉄の掟があります。さぁ、なんなのでしょうか!?

まぁ四季にかかわらず、どこも細かいものはいくつかあるみたいですね。四季では、俳優個人でTVの出演とかドラマに出るとかも駄目だったはず。上で書いたような理念であれば当然ですよね。

役者は舞台に集中しろー!TVとか出てる場合じゃねー!なのも納得です(まぁ告知とかは劇団あげてしますし、それも舞台の1シーンを歌ったり演じたりですしね)

それとは別に、劇団員が肝に銘じているのがこの浅利先生の格言とも言われ、四季の方法論とも言われているこちらです。
[box class=”box32″ title=”浅利先生の名言その3”]■慣れだれ崩れ=去れ
■一音落とすものは去れ
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劇団四季には特別な発声法があります。それは、母音で台詞や歌を歌う方法を用いて練習をするのです。コレをすることで、よりはっきりと歌や台詞が届きます。ちなみに音も取れるようになります。オンチの人はぜひやってみてほしい!母音で歌ってから歌うとホントに音が取れるよ!!!

そうそう、ものすごく早くしゃべる劇団なんかもありますね。それを売りにしているようなところ、感情を思ったまま発するような劇団も。それはそれで一つの個性だと私は思います。しかし、劇団四季では台詞が分からない舞台は舞台としての面白さや、台本の素晴らしさ、話の内容は伝わらないとされています。

なので、四季では台本は絶対。アドリブも禁止です。舞台が壊れるとされています。
私個人としてはアドリブ好きですけどねw

でも、それで役者さんが笑っちゃったり、タイミングがずれたりすると舞台としての完成度はやはり低くなるもの。同じ役をやり続けるロングラン公演、慣れというものが出てきます。そうするとアドリブとか出てきたりするのもありますよね。その役になりきってれば、おのずと自分が入り込みますから。

四季はそれを良しとはしてないからこそ、この格言・明言があります。慣れて、ダレて、作品を崩すやつはいらん。台詞がまともに聞こえない、話が分からなくなるならいらん。これですね。

『劇団四季』が求められ、求めてゆく舞台

劇団四季4

では、今後劇団四季の目指していく舞台とはどういうものなのでしょうか?また、その舞台を観る私たちお客はどんな舞台を求めていくのでしょうか?作品?キャスト?劇場?どれも気になるものではありますよね。

大手の東宝ミュージカルでは主演キャストなど大々的に発表します。Wキャストなら、だれがどの日にちに出演するかも出されていますし、キャストのファンからしたらチケット買いやすい。劇場も帝国劇場などを使います。

宝塚歌劇は5組ある組のそれぞれにトップスターを掲げ、決まった相手役と数々の演目を東京と宝塚の二つの拠点で公演します。宝塚では、それぞれのトップスターを応援するファンもいますし、好きなタカラジェンヌの舞台を観ようとお客がチケットを求めます。

ここで気づくのが、チケットを買う際のポイントに「誰が演じているのか」がもっとも重要視されているというところです。では劇団四季ではどうでしょうか?

劇団四季のチケット購入の際、明記されているものは公演日と公演時間、公演場所の劇場のみです。キャストについては明記されていません。また、ファンクラブの会報などに書かれているものもありますが、先述したように一つの役に対してキャストは数名配役されています。なので、劇団四季の場合観る当日直前の劇場に入るまでは誰が演じるかわかりません

[box class=”box32″ title=”浅利先生の名言その4”]■俳優の個人的な魅力に依存している作品は沢山あります。四季以外は殆どそうです。
■(この俳優が好きで観たいというお客様には)四季以外の舞台をお楽しみになったらいかがでしょうか。スター主義の興行を
■俳優だけではない。技術、経営のスタッフら劇団員全員が、これからもあらん限りの情熱を傾け、演劇活動に臨んでほしいと思います。[/box]

「劇団四季の舞台は役者を観に来るのではなく、舞台の作品を観に来てほしい」これは浅利先生が一番TVのインタビューなどでも言っていたと記憶しています。浅利先生が演出をやっていたからかもしれませんが、作品の良し悪しは台本が8割で、役者や設備は残りの2割程度しか左右されないと。だからこそ、劇団四季では台本に忠実で、役者ありきの公演はしないのです。

コレに関しては、お客様の中でも意見は分かれると思います。私もこの女優さん、俳優さんだからこの舞台や、この役が観たいと思うこともあります。でも四季はそれが一番じゃありません。作品が一番なのです。勿論役者の人気って大事だと思います。でもロングラン公演を続ける四季にとっては、そうじゃないと駄目なのです。

突然ですが、四季のチケットは幾らだか分かりますか?四季の舞台のチケット代は、はっきり言って安くはありません。一席約1万円ほど。この料金を払って観に来るお客様は、すべてが四季のファンではないでしょう。

初めて観に来る方、付き添いでこられた方、ずっと観たくてようやくチケットが取れて観にこれた方、お年玉をためて観に来る学生…色々です。私は中学生の頃四季に出会いましたが、お年玉全部使ってでも観たいと足を運んだ一人です。ロングラン公演ということは、固定客ではなく幅広い客層で不特定多数が観に来るということです。

だからこそ四季は、高いクオリティを変わることなく毎日公演することを絶対としています。そのためにはキャストありきではなく、舞台そのものを素晴らしいものにしなければなりません。そもそも沢山の演目を全国展開するので、キャストに頼ってたらそのキャストさん過労死しますわなw

四季ファンであった10代の私は、その思想を「硬いなー、いいじゃんアドリブしたって~」「なんでキャスト発表してくれないんだよ~この人で観たいんだよ~」と思っていましたが、今考えればこの考え方は全国展開ロングラン公演には無理な話。

ましてや役者さんのファンは自分だけではなく、その役者さんにどの役をもやってほしいのだから全国あっちもこっちも観たい人でブーイングの嵐ですね。だからこそ役者ありきにしないという考え方や方針は欠かせないのだと理解しました。

劇団四季を創立してくださったことへの感謝

劇団四季5

ここまで大きくなった劇団四季ですが、当初は本当に小さなどこにでもあるような劇団だったそうです。今からじゃ考えられないですね。それもこれも、浅利先生が限りない情熱を持ち、演劇へと真摯に向き合ってきたことの結果だと私は思います。

[box class=”box33″ title=”浅利先生の名言その5”]■演出の仕事と並行して劇団を運営してきた僕にとっては、容赦なく飛び込んでくる問題を一つずつ解決する悪戦苦闘の60年でした
■60年間、不断の努力で受け継がれてきた理念や、長い年月を経て生み出された、四季の舞台の骨格を成す「方法論」を、次の世代が真撃に守っていけるかがポイントでしょう。もし彼らが怠れば、四季は数年で消滅します。
■僕らが退いた後も果たして四季が存続できるのか…。これが今の四季の最大の課題です。[/box]

2018年7月13日。浅利慶太先生はこの世から去っていかれました。

私は、劇団四季とで出会って人生が180度変わりました。中学2年生の冬、私はこんな素晴らしい世界があることをはじめて知りました。もっと早くに知りたかった。出来ることなら私も四季の舞台に立ちたかった。そう思った日は数え切れません。あんなに胸を熱くさせられた経験はありません。

先生がお作りになられた劇団四季は、これからももっともっと素晴らしい舞台を作り続けて行ってくれる筈です。浅利先生の意志をついで、劇団員の方は今日も虹の世界で輝いています。この素晴らしい劇団を作ってくださったこと心から感謝しています。これからは天国から彼らの活躍を見守って下さいね。ご冥福をお祈りいたします。

私の偏った観方ではありますがお付き合いくださり有難うございました。
劇団四季』について長い文章になりましたが、ぜひ一度劇場に足を運んでみてはいかがでしょうか?きっとあなたの人生を素晴らしいものにしてくれると思いますよ!

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